古事記の「二、伊邪那岐命,伊邪那美命の国生み」をきちんと読んでみますと、
於是天神諸命以 詔伊耶那岐命 伊耶那美命 二柱神 修理固成是多陀用弊流之國 賜天沼矛而 言依賜也 故 二柱神立訓立云多多志天浮橋而 指下其沼矛以畫者 鹽許々袁々呂々邇此七字以音畫鳴訓鳴云那志而 引上時 自其矛末垂落之鹽之累積 成嶋 是淤能碁呂嶋自淤以下四字以音
※現代語訳
そして天つ神一同の命令ということでイザナキ、イザナミの二柱の神に「このただよっている国をつくろい固めて完成させなさい」と仰せになり、神聖な玉で飾った矛(天の沼矛)をお授けになり、お任せになった。
そこで二柱の神は天の浮橋に立ち、天の沼矛を降して掻きまわした。
潮をころころとかき鳴らして矛を引き上げたとき、その矛の先よりしたたり落ちた潮水が積もり積もって島となった。これが淤能碁呂島(オノゴロ)である。
とあります。
ここから、この「おのごろ島伝説」というのが始まっており、それが一体どこなのでしょうか?
その有力候補として、
①沼島
沼島は空から見ると勾玉のような神秘的な形をしている。さらに、高さ約30mの屹立する巨岩「上立神岩」がそびえ立ち、これは神話に登場する「天の御柱」とも言われている。
②おのころ(自凝)神社
沼島内の小高い山の上にあるおのころ神社、イザナギノミコトとイザナミノミコトの2神を祀り、地元では山全体が「おのころさん」と呼ばれ大切にされてきた神体山である。
③紀淡海峡の友ヶ島の沖ノ島
友ヶ島の神島は淡嶋神社の発祥の地とされている。
④淡路市の絵島
絵島は淡路島の岩屋港にある小島。
⑤自凝島(おのころじま)神社
淡路島内の小高い丘にある自凝島神社、イザナギノミコトとイザナミノミコトの2神を祭神とし、キクリヒメノミコトが合祀されている
⑥十神山(島根県安来市)
十神というのは伊邪那岐、伊邪那美両神を除いた神世七代の神々を祀ったことによる名称とされている。
⑦播磨灘の家島
⑧鳴門海峡の飛島
⑨地球そのもの
などがあります。
この②にある、「おのころ神社」は同じ沼島にあるのでこれから行ってみようと思いますが、その前に気になったのが「山ノ大神社」でした。
こちらは地元の方々は「山ノ神神社」、または、「アラガミさん」とお呼びしているようです。
わたくしのいけないところは、よく言われるのですが、「触らぬ神に祟りなし」だよ!って...
特に、地元のかたが崇拝されている神さま、氏神さまには土足であがりこんではいけないよって。
宇宙や、神と交信できるような方々は、神様やそれに連なる力に拒絶されたら、それ以上は無茶はなさいません。
でも、そんなスピリチャルな能力の欠片も持ち合わせていないわたくしは、どうしても興味が先に立ちます。
だって、そう思いませんか??
ここはイザナミさまとイザナキさまが降り立ったところですよ。
そこに、なぜ、別の神様がおいでなのですか?
しかも、地元の方々から慕われ、しかも沼島の略一番高い場所に安置されているお社。
行きましょう。
京都の「月読神社」と同じ、行ってみなければわからないじゃないですか?
ということで山を只管上りましたが、行けども行けども、登れども登れども、それらしいものは全くありません。
そして、実は、沼島に来てから、ひとつだけ気になることが…
GPSが作動していないのです。
Xperiaも、iPadも...
流石に、上立神岩は港から一本道、また、この次に行くおのごろ神社も、大体の場所を頭に叩き込んで、どこに行くにも荷物になるから地図なんて持っていないし、但し、沼島汽船に乗船して航路を走っているときから、位置情報が動いていないのは気になっていたのですが。
でも携帯の電波通じていますし...
つまり、山の森の中で迷子になってしまいました。
でも、同じくずっと気になっていたことがあったのです。
トンビです。
沼島に着いたときから、一羽の大きなトンビがまさに悠々と空を泳ぎ(飛ぶというより、風に流しているのですね。トンビはかっこいい!)、ピーヒョロ―――って啼いているのです。
そう、まさに、上立神岩のときも空から誘導してくれましたし、今回も、わたくしの上をずっと流しています。
それと蝶々です。
蝶々は、一匹ではありません。
何匹かの蝶々ですが、長い道のりを、リレーをするように、色々な種類の、とても小さな蝶々が、ずっと傍らを誘導してくれていました。
これは間違いないのだと、なので、迷わず、そして疑わず歩いていきました。
そして、ついにみえたのが...
鳥居です。これはお稲荷さまの鳥居です。
これをくぐっていけば、行かれると....
しかし、これまた、鳥居の下はけものみち。
でも、進みました。
足元を色々な虫が飛び出してきています。
あーー ごめんなさい。
きっと休んでいたのですよね。
わたくしなんかが来なければゆっくり眠っていられたのに、ごめんなさいねーーー
そして、
あった~!!
こんな山奥に、なんと立派なおやしろ。
しかし、このお社以外になにも情報がありません。
草もぼうぼうで...
探しようにもなにも探せません。
ということでまずは参拝を
でも、お賽銭を入れる函もありません。
ご祈祷を捧げると、なんだか急にすっごく背中が重たく感じ、からだ中が寒くなってきました。
え、どうしたんでしょうか?
やっぱり来てはいけなかったのかな??
こういうのを霊力というのでしょうか?
そうしたら今度は見事なおおきなアゲハ蝶が、いや、緑色がまざった立派な蝶が、まるで、こっちにおいでと言わんばかりで、そしてそのまま、お社のある小高い丘をおりました。おりたら重たく熱い背中の感覚もなくなり、そして冷気もすっかり消え失せました。
いろいろなお社に参拝して、良い気や、磁気などのエネルギーを多少感じることはありますが、こんな感覚は初めてでしたので、ちょっと驚きました。
するとトンビの啼き声が聞こえ、それを追っかけるように、どこからともなく船の汽笛が。
あ、そうだったんだ...
「山の神」と言われてますが、ここは多分航海を案ずる神様をお祀りしているのでは。
でも、とにかくこれ以上はなにもこの場所から情報を得られないと思い、再度、一礼をし、感謝をささげ、山ノ大神社をあとにしました。
帰路はスムースでした。ずっと下りです。
相変わらずGPSは機能しませんが、空を悠々と流すトンビはみえますし、蝶々は、入れ替わり立ち代わり、まさに誘導してくれています。
不思議な光景なんです。
あっというまに、人里に戻ってきたとき、蝶々はどこかに行ってしまいました。
おのころ神社は、港の近くです。
冒頭に書きましたように、この神社のある場所も、古事記の「おのころ島伝説」の候補地になっています。
こちらも突然狭い階段を上がっていき、急な山道を登っていくのですが....
今度はなんと
蟹さんです。
このあたりの岩場は、海岸線の延長です。
そういえば、沼島はほとんどが岩場です。
なので、今回は行きませんでしたが、おのころクルーズという島の周りを一周してくださるツアーもあります。
次回は是非にと思っております。
さらにそこから随分あがって、やっと神社の入口が。
ちょっと思っていたよりきれいでイメージが違いましたが、
恐らく、おのころ効果で島外、県外からも参拝者、観光客が来られるのできれいにされたのでしょう。
階段を上って拝殿に...
イザナキさまイザナミさまの絵が飾ってありました。
こちらでは、この国をお造り頂いたこと、その国の民として授かりいまここにあること、
そして、この国がいつまでも弥栄え奉ることをお守りお導きいただくことの御礼を参拝させていただきました。
本殿の横には、イザナキさまイザナミさまの銅像が。
拝殿の絵も、この銅像も有名なものばかりです。
ここまでで、また汗だくでしたが、心地の良い風と、また波の音が聴こえて、
とても心が穏やかになりました。
このお社、不思議と後ろ髪が引かれました。
なぜか、何度も何度も振り返りました。
なにか、メッセージがあったのでしょうか?
もう一回登ろうかと思いましたが、鳥居の前で一礼してお別れしました。
必要なら、また、来れると思ったからです。
沼島と淡路島は、大体1時間30分置きくらいに1往復しています。
少し時間が余ってしまったので、本来なら最初にお伺いしなければいけない、この島の氏神さまに参拝させて頂きました。
沼島八幡宮です。八幡宮はまさに全国区ですね。
無論、ご祭神は、基本のおさんかた八幡大神でいらっしゃいます。
なんと、こちらは、京都の石清水八幡宮の分霊を阿万八幡宮を通じて勧請し創建したと伝えられます。
そしてそれは、梶原景時だと言われているそうで...
あーーー!
こんなところで思いだいました。
確か、梶原景時のお墓は、淡路島の離島にあるって...
以前、鎌倉幕府の成立期が大好きで(基本、歴男なので...)、伊豆を巡っていたときにそんな話を聞きました。
まさか、ここで思い出すとは。
でも。残念ながら、もう帰りの船が港に入ってきています。
うーん、最後の最後で、色々積み残したかも...
でも、欲張ってはいけませんよね、今回は上立神岩を見に来たのですから。
八幡宮の手水場が、上立神岩になっていました。
船が島を離れるとき、また、あのトンビが悠々とした姿で大空を流しながら、啼いていました。
分かれを告げているのでしょうか?
お陰さまでとても素敵な沼島のお社を参拝させて頂きました。
ありがとうございました。
※「山ノ大神社」のご祭神について「鉄王稲荷大明神」をお祀りしていて、山全体がご神体なので「山の神」と呼んでいるそうです。
そして、山の神のすぐそばに火立山があり、漁船が沖で沼島の位置を 見失う恐れのあるとき、昼は狼煙を、夜はかがり火を焚いて位置を知らせたことから、この島ではとても大事にされている神様なのですね。
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