月夜見宮・高河原神社 ~春のお伊勢参り④~


外宮には、豊受大神宮の境内の外にも別宮や摂社があります。実は、これが中々通常の参拝で見過ごしてしまったり、或いは時間がなくて飛ばしてしまったりするのですが、この「月夜見宮」はその代表でもあります。

理由は実はちょっとだけありまして、わたくしは必ず参拝するお宮の中に、内宮の月讀宮がございます。

おなじツクヨミさまをお祀りされているところですし、また、失礼ながら社格では月讀宮の方が上に位置しておりますので、別に差別(そんな恐れ多い感覚はございません)をしている訳ではなく、なんとなく飛ばしてしまうのです。

外宮からちょっと離れているということもあります。

なので今回は最初からコースに入れました。ただし、これも不届きな話なのですが、実は、この日、名古屋から「伊雜宮」「佐美長神社」に行くので先に「上之郷」、そして「志摩磯部駅」から「伊勢市駅」に戻り、コース的には本来「外宮」参拝を終えてからこの「月夜見宮」への順路が普通なのですが、ついつい伊勢市駅から先に月夜見宮からお参りした方が、結果的に宿泊地に戻るのに大変利便性が高いという理由からそのようにしました。

無論、伊勢の方々にはその「順番」はそんなに大切ではないと言われるかたも多くいらっしゃるのですが、わたくしが卑怯なのは、このブログにおいて、如何にも先に「外宮」に参拝したように先に取り上げているのですね。実はこれ弁明になってしまいますが、卑怯ではなくて、本当にそうしたんだと思っていたのですね(ついにボケたか...)。それで帰京して写真を整理していたら、あれあれ?? 外宮より先に月夜見宮に行ったのだぁ... と、ついつい自分はその気になっていたよう

ということもありまして、はじめて外宮のツクヨミさまのお社に参拝させて頂きました。


〇ツクヨミさまのお社

古事記において三貴子のおひとりであるツクヨミさまですが、記紀にも表記は少なく、また、姉神・弟神に比べるとお祀りされている神社も少ない神さまです。

京都に月読神社
があるというので、昨年4月に参拝してきましたが、な、な、なんと、月読違い…?? とんでもない(失礼ながら…)違う神様でした。この一件で、筆者は、(やはり…)京都は偽物(この言い方、誤解を招きますが、あくまでも日本という国の原型の流れにはないという意味です)なんだと確信した次第です。

但し、このときは勉強不足でwからなかったのですが、この京都のお社は壱岐に関係があり、その表記は古事記にはありませんでしたが、日本書記には関連する表記がありました。筆者は昨年4月に京都の月読神社に参拝した際には、まだ、日本書記のこの部分を読んでおりませんでしたので後日はっとしました。

三貴子においても、姉神アマテラスさまは、全国の天祖神社、神明社のご祭神、弟神スサノオさまも、祇園信仰、津島信仰、氷川信仰など、まさに全国区ですが、ツクヨミさまにご縁のあるお社は実は数えるほどしかありません。有名なところでは出羽三山の月山神社のご祭神でもありますが、やはりツクヨミさまをお祀りしている神社は圧倒的に少ないのです。

そして、いずれにしても内宮別宮「月讀宮」のように、ツクヨミさまを感じられる空間ではありませんでした。

ですが、こちらは伊勢の外宮に関連するツクヨミさまのお社。
そういう意味ではかなり期待と希望を持って参拝させていただきました。

なかなかいい感じです。


しっかりと手水をさせていただきました。



とても貫禄のあるお社です。

とても不思議なのですが、外宮に参拝しているときと同じ感じがいたします。
正確に申しますと、前回の記事では省略してしまいましたが、多賀宮(たかのみや)の参拝と同じ感じでしょうか??

多賀宮は前回触れませんでしたが、豊受大御神の荒魂をお祀りされている外宮内にある別宮です。伊勢神宮の中でここがもっともパワーを感じるというかたも多いところです。
筆者も、実は多賀宮はいつも緊張いたします。
それに近い雰囲気をもったお社というのが第一印象でした。


また、たまたまだったのか、参拝の方々が、みなさまとても礼儀正しく、誰ひとり、前の方が参拝中は鳥居の中にもお入りになりませんでした。

わたくしもそうでしたし、わたくしが参拝のときも、次のかたは鳥居の外でお待ちでした。

いや、これが本当の礼儀なのですが、中々そういうことは少ないのです。

伊勢の地元の方はそうなさるでしょうが、やはり観光半分の方が多いとそういう訳にはいきません。


さらに、みなさましっかり参拝されておられました。
そういう意味ではお社にもですが、参拝されている方々にも感動しました。

以前にやはりかなり伊勢通の方に、「外宮のツクヨミさまは男っぽく、内宮のツクヨミさまは女っぽい」という話を聞いたことがありましたが、なるほど、筆者は多賀宮と同じ感じだと思ったのはそういうことなのかなぁと、できれば、この足で、内宮の月讀宮に行ってみたいなぁと思いましたが、ちょっと時間的に厳しいので断念いたしました(そういえば、月讀宮の方は月讀宮と月讀荒御魂宮が別々に鎮座しておりますが、こちらは内宮別宮の風日祈宮、外宮別宮の風宮に同じく、ひとつの社殿に2柱の神を祀っておられます。よく分かりませんがそんなことも力強さに繋がっているのでしょうか)。


それよりもこの境内には色々引かれるものがありました。


まずこの楠。

これは中々立派なご神木です。

実はここで、このご神木をみてふと頭に浮かんだことがありました。

それは、このご神木の隣でみる満月はきっと美しく、特別なものなのではないかと...

これはわたくしには、とっても不思議な感情でした。
なぜなら、わたくしは月にはほとんど時めくことがありません。
例えば、スーパームーンとかのときに撮影したりすることもありますが、それは元がカメラ小僧だっただけですので。
やはりお天道さまの方がときめきます。大好きです。
でも、そんな自分がここから日中に満月を想像するなんて、たいへん驚きでした。

そうか、同じツクヨミさまでも、こちらは「月夜見」と書くのはそういうことなのかなぁと、ダジャレでなく、真面目にそう思いました。

※あとで知りましたが、こちらの崇敬者を中心に月夜見講が発足されているそうです。やはりそういう力があるのでしょうね。月となにかが繋がっているのかもしれません。


しかし、これで終わりませんでした。

実は、最初にこのお社に入ったときから、もっと引かれるもの、強い牽引力を感じたのは...


こちらです。


これはなんなのでしょうか??

恐らく、この木がなにか特別な力を出しているのだと思います。

正面から向かって右側に、月夜見宮もご神木もあります。
左側は古殿地とこの祠しかありません。
ですが、最初からぐっと引かれたのはこの左側でした。
但し、視界に念願でもある、ツクヨミさまのお社がありましたから、そのまま右に行きましたが、結局、ご神木に引っ張られ、「月見」の情景を思い浮かべていてもなお強い力で引っ張られたのがここだったのです。
少なくとも、この狛犬にはなにも感じません。
祠でもありません(なぜなら、琉球参拝の際に、色々な祠にもの凄いパワーを感じたので、この祠からなにかを発しているのではないことが多少なりとも分かりました)。ということはこの木なのでしょうか??
いや、よくみると、石もありました。
でも参拝はできましたが、それ以上近づくのは怖い気がしました。

外宮のツクヨミさまのお社にはじめて参りましたが、これは色々課題が残りました。
多分、ここと月讀宮の両宮をきちんと理解することで、ツクヨミさまに近づけるのだと、ツクヨミさまの謎が全部解けるのだと。


だって、わたくしは月讀宮で、ある意味「ご神託」(だったのだと思います)を頂いたのですから...


〇高河原神社(たかがわらじんじゃ)


こちらは摂社の高河原神社です。ご祭神は同じく「月夜見尊御魂」です。

参拝した際には気づかなかったのですが、こちらは「摂社」だそうですが、伊勢神宮で摂社には賽銭箱を置いていないのが通例だと思っておりましたがこちらにはありました。

そもそもが、月夜見宮がここに鎮座する前から地元の神さまだったようです。

実は、前回も深いことは触れませんでしたが、外宮というのはそもそもからして色々謎が多い場所です。

謎というのはちょっと失礼な言い方で、なんと申しますか、外宮には「皇大神宮」とは別の「主張」があるのです。
その解明の鍵を握っているのが、どうやらこの高河原神社のようです。

それは、この小さな空間だけですが、月夜見宮とは全く別の「氣」が流れておりました。
というか、完全に別世界でした。
かと言って、先ほどの祠周辺や、ご神木のような牽引力はありませんでした。
筆者の知っている(って、大したものではありませんが)伊勢とは違う世界でした。

うーん、とっても気になりますが、先を急ぐので、今回は立ち去ることにいたしました。

ありがとうございました。






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