いきなり自分の話で恐縮ですが、筆者は半世紀以上東京に住んでいるものの、実は新年を東京で迎えたことは、恐らく10回に及びません。
殆どが東京を離れていますので、実は、初詣を東京の何処かに参拝したということは殆ど経験がありません。
例えば、本年2016年の関東地区の初詣参拝者のベスト3は、
1.明治神宮 316万人
2.成田山新勝寺 305万人
3.川崎大師 303万人
でした。僅差ですが、このところ明治神宮がトップに立っていますね。
ですが、このどの寺社にも、わたくしは初詣で参拝したことは残念ながらありません。
では、どこに行くのかというと、過去に一番多いのは、箱根神社(九頭龍神社)です。なぜなら、殆どの年は箱根で年越しするからなんです。
それから、一時期京都で越年することが何年か続いて、そのときはやはり八坂神社でした。そんな感じでしょうか。というか、あまり初詣、特に元日に、ということに特別な思いはありません。人ごみが苦手なこともあります(おっと、今自分で書いて気づきましたが「人ごみ」って酷い言葉ですね。ひとはゴミではありません...)
ですが、もし叶うのであれば、やはり、今回取り上げさせて頂く大好きな伊勢神宮には是非初詣でも伺いたいですね。
伊勢信仰
改めてこのブログで伊勢信仰のことを記すにも...って思いましたが、やはり触れておきます。
伊勢信仰とは「庶民の信仰」のことを総称しています。
というのも平安時代より、伊勢を中心とした神事は多くありましたが、これは私幣禁断(しへいきんだん)で、天皇の他は私的な祈祷は禁じられておりました。そのくらい「別格」なのです。
庶民一般が親しんで信仰し参宮したのは、中世に入ってからで、これは院政時代の「熊野三山詣で」のあと、武家時代に源頼朝が神宮に神馬(しんめ)、幣帛を奉り、御厨(みくりや)・御園(みその)を寄進して以後、東国のみならず諸国の武士がこれに倣いました。
いや、面白いですね。
前回の八幡信仰同様、信仰を厚く持っているのは武家社会なのですね。
逆にいうと、そのくらい彼らの社会は祈願が必要な日々だったのだということが予測できます。神社の信仰も、五穀豊穣、報恩感謝以外に、色々な側面が出て来たのだと言ってよいでしょう。
さらにこの後、僧侶の参宮も頻繁になってくるのです。
〇全国にある神宮
そもそも伊勢神宮と言われておりますが、正式には「神宮」です。そして全国にあり「〇〇神宮」の殆どが、伊勢にある「神宮」の系列です。
これは一時期国策にも組み込まれました。全国に「護国神社」が普請されたように、神宮もまた、お伊勢参りができなくても「神宮」のお札が頂けるということで一般にも広く親しまれました。
さらに、「天照大御神」信仰となると、神宮以外に、神明宮、神明神社、神明社、伊勢神社、皇大神宮(皇太神宮)、大神宮(太神宮)、皇大神社(皇太神社)、天祖神社などと称され全国各地に広がっています。
わたくしの本家も実家も、母方の家も氏神さまは「天祖神社」でアマテラスさまでした。なので神棚にはかならず「天照大御神」のお札がありました。
しかし一点紛らわしいのは、伊勢信仰系の「〇〇神宮」というのは延喜式で定められた「神宮」とは違います。
例えば、「明治神宮」のご祭神は明治天皇、昭憲皇太后。あるいは、鹿島神宮、香取神宮はそれぞれ武甕槌神、経津主神、熱田神宮は御神体として三種の神器の一つの天叢雲剣(草薙剣)を祀ってあります。
このあたりは結構、話が専門的になってしまうので、もし機会がありましたらお話いたしますが、要は「神宮」という名称のところにすべて「天照大御神」さまをご祭神としているのではありませんのでご注意くださいませ。
〇ご利益
そもそも伊勢神宮のご祭神、天照大御神さまは、太陽神であり、皇祖神、いわば日本で最高の神様です(※注ー伊勢神宮では内宮の主神は『天照坐皇大御神(あまてらしますすめおおみかみ)』と呼ばれています)。
ですので、お伊勢参りはご利益というより、一般に言われている「お蔭参り」です。
日頃の感謝、さらに言えば、参拝できたことの御礼が大切でしょう。
また、前出の「神明宮」や「神明神社」はパワースポットで人気の高いところもあります。
これはまったく個人的な意見ですが、伊勢神宮、特に内宮では、「神たのみ」ではなく、自分の今後の行動指針や、具体的な目標を「御誓い」することが良いと思います。
そういう意味では、初詣には最高なのだと思います。
という訳で、明日は年末恒例のお伊勢参りに行ってきます。
この詳細はまた「参拝紀行」でご報告させていただきます。
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